はしがき

 

 大学入試問題で出題される長文は、現代社会の関心の広がりを反映しそのトピックは多岐にわたります。国公立大学二次試験 [個別学力試験 ] の入試長文を見てもその傾向に変わりはありませんが、とりわけ難関大学の場合は、高校生の一般的な知識を越えた内容についての評論・論説文や登場人物の心の機微を描いた小説など、入学予定者の知識・関心、想像力・考える力といった総合的な学力を判定するための題材が多く出題されています。この傾向は、「大学入試センター試験」が「大学入学共通テスト」に変わった後の二次試験においても変わらないであろうと考えられます。

 

 この問題集は、国公立大学二次試験で出題された過去の入試長文から、示唆に富む話題や知的好奇心が刺激される興味深い題材を精選し、その問題の解き方を解説した長文読解問題集です。編集の際には、設問の正解を得るためにどのように考えればよいのかに力点を置きました。

 

 本冊を見てもらえばわかりますが、このレベルの長文の設問は和訳問題や記述問題が中心で、長文全体の流れや要旨を把握した上で、設問に明確に答える表現力も要求されます。そのためには、「なんとなくわかった」ではなく「しっかり理解し考える」ことが重要になります。わからなかったところは再読し、その解説を参考にして解答に至るまでのプロセスを理解し身につけてほしいと思います。

 

 本書が皆さんの志望校合格に少しでも役立つことを祈っています。

 

アポロン出版編集部